『蝉しぐれ』を読んで
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最終更新日:2014/08/10
本
『蝉しぐれ』(藤沢周平著、文春文庫、1991.07.10)を読みました。
ここ最近翻訳書や思想書など、悪く言えば読みにくい本ばかりを読んでいましたので、この本で改めて小説の読みやすさと面白さを感じることができました。
『蝉しぐれ』は映画化・ドラマ化もされており、非常に有名な本みたいですね。知らなかったです^^;
そして何かと目にすることのある、「秘剣村雨」も実はこの本に元ネタがあったことを始めて知りました(今さら感)
さて、この本の感想ですが、つくづく感じたのは「かっこよさ」と「きれいさ」でした。
主人公の文四郎は剣の扱いに長け、不敗の秘剣「村雨」を加治織部正より伝授されます。村雨を使い、襲いかかる刺客倒すシーンにはしびれました。
そして「きれいさ」。この本は景色の描写もさることながら、話の流れ、人物の心理描写が整然としており、非常に読みやすかったです。
中でも印象的なのは、かつては隣家の少女であった「ふく」が、 殿の寵愛を受け手の届かぬ存在となってしまったこと
に対する、文四郎の心の動きです。「ふく」が城内の派閥争いに巻き込まれると知るも、手を出せない文四郎。ただ、彼女への思いは消えず、千載一遇のチャンスをものにして最後は助けにいく。王道とも言えるきれいな流れ、非常によかったです。
この本はたまたまBOOK・OFFに寄ったとき、ワゴンセールで105円で買ったのですが、他の本を放り出して、読み耽ってしまいました。こういった偶然で良い本と出会えたのは嬉しかったですね。
こんな感じで今回はあっさりと終わりたいと思います。
ご拝読ありがとうございました。
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