読書を軽視するべからず
公開日:
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最終更新日:2015/02/13
本
こんにちは!
最近台風が来たり、雨が降ったりと不安定な天気が続きますね(汗
中々気持ちの悪い天気ではありますが、何とか勉強を続けています (;^_^A
さて今回は最近孫文の勉強をしていて、読書の重要性を再認識したので、書いてみたいと思います。
孫文と読書
孫文といえば中国で有名な革命家のうちの一人で、中国の色々な都市で「中山路」という風に道の名前になるほど人々の尊敬を集めています。彼の理論として代表的なのが「三民主義」(詳しくはこちら→三民主義を読んで1~三民主義とは何か、三民主義を読んで2~民族主義~)。この「三民主義」を読んでみると分かるのですが、東西を問わず様々な事柄が引用されています。これというのは全て、彼が読書をする中で得たものでありました。
一つエピソードを紹介すると、1896年前後、広州での蜂起に失敗した孫文はロンドンに亡命してここで9ヶ月過ごします。その際、毎日のようにロンドン博物館の図書室に通い、様々な種類の本を読んだみたいです。彼が自伝等で語るように、生涯を通して革命の次に大切なものが読書であり、この9ヶ月間―もちろんそれ以前に様々な本を読んで知識があってのうえですが―は彼の革命にとって非常に重要な「知的充電」期間とりました。
程度の差こそあれ、孫文の功績は誰もが認めるところです。そしてその功績を支えたのが読書でした。いわば読書をすることによって革命の展望が開けたということです。
この点について、以前受験生次代に読んだ『読書と社会科学 』(内田義彦著、岩波新書、1985/1/21)という本を思い出したので以下に紹介してみます。
「概念装置」
この本、どういった経緯で読んだのかは覚えていませんが、当時の自分にとって衝撃的なものでした。簡単に言うと、自然科学においては、例えば顕微鏡などのような対象を観察する「装置」によって、肉眼では見ることの出来ない世界を観察できるように、社会科学においても「概念装置」を通すことによって、一般には見えない社会の問題が見えてくる。そしてその「概念装置」を獲得するのに必要なのが読書、それも速読等ではなく、「古典としての読み」を続けることが不可欠であるとします。つまり、あらゆる分野で古典と呼ばれる書物―『資本論』『社会契約論』など―を目を皿のようにして読み込むことで、社会を見るための目が養われるのです。それが「概念装置」であると本書は指摘します
読書の重要性
孫文は読書を通して、当時の中国が至らないところや西欧の未熟なところを考察し、民族・民権・民生の三大主義を一度の革命によって達成し、一気に世界の先頭に立とうとする「三民主義」を打ち出しました。いわば知識と思考力に裏づけされた「概念装置」を身につけたからこそ生まれ得た革命理論であり、読書が如何に重要かがわかります。
そして孫文に限らず、現代の私たちにとってもとても重要です。噴出する社会問題の解決、人間性の向上、知識の獲得、本を読むことは様々な利点があります。中でも重要なのは古典を読むこと。岩波文庫、中公クラシックス、平凡社などの書物を利用すれば、古今東西の古典に触れることができます。一回では理解できない難しいものも多いですが、毎回読むたびに新たな発見があります。
皆さんも是非読んでみてください!
僕も大学生の間に出来るだけ読んでいきたいと思います!
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