大学生の「役割」とは
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今日は大学生の「役割」についてです。戦前は大学という場所はごく一部の人たちがいくような場所でした。
そして戦後、経済が発展していくにつれ大学進学率も高まっていき、現在では50%を超えています。
より高度な教育を受けるものが増えるというのは非常に好ましいことですが、より多くの人が大学に行くようになった以上、その「役割」を再考することは非常に重要です。
大学に入学する際、入学者は学部を選択し「専門」を持つようになります。
文学部や法学部、医学部などの伝統的なものや、最近よくある「グローバル◯◯学部」など、一応それぞれの学部学科で目標とする教養の習得が決められています。
そして入学者は4年間という時間をかけてそれを身につけていく。卒業後は大学で身につけた教養で以って社会に貢献する。それが大学で学んだ者が社会から期待されていることです。したがって、大学生の「役割」というのは、高い専門性に裏付けされて教養を身につけるために努力すること、と言えるでしょう。
社会に貢献するというのは抽象的な概念ですが、何も大学で学んだことを直接仕事に応用して日本国の発展に身を賭していくというわけではありません。社会に数ある問題に対して、自分の専門からそれに対しての意見を持ち、発信あるいは政治参加していき問題の解決に社会が向かっていけるようにする。会社などの「仕事」を通して社会に貢献するのではなく、一人の市民として社会に働きかけることを指すのだと僕は考えています。
さて以上が僕なりに定義したの大学生の「役割」ですが、現在の大学生の現状はどうなのでしょうか。授業は単位が取れる程度に出て、バイトでお金を稼いで飲み会などに時間を費やしていく。高い学費を払うためにバイトに追われる日々を過ごさなくてはならない。大学生自身が、そして国家も大学生の「役割」を見失ってしまっているように思えます。
これは僕の実感によるものなので、必ずしも客観的に正しい話ではありません。が、決して的外れな論でもないかと思います。
皆さんは如何お思いでしょうか?
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